川口液化ケミカル株式会社へのお問い合わせはこちらまで。9:00〜17:00(土日祝日を除く)

WEBでお問い合わせ 048-282-3665

ホーム  /  ブログ  /  ガスの知恵袋  /  流量計の長所と短所 Part2

流量計の長所と短所 Part2

本日の流量計は「熱式流量計」です。

「熱式流量計って? なんですの?」

そんな声が聞こえてきそうです。
私もそうした名称をマスフロコントローラーなどが
該当するんだと最近知ったくらいです。

通称、マスフロコントローラー(MFC)、マスフロメーター(MFM)
などをさして熱式流量計と呼んでいます。
半導体産業などで気体の質量流量を計測するために多く使用されています。

熱式流量計というのは、古くから様々な方式が提案されていますが
基本的にはセンサーが流れに直接接しているタイプと管路の外部に
コイルを巻いて(センサーチューブ)過熱するタイプに分けられます。

内部センサータイプは、応答性が速いものの、流体を限定されることと
汚れなどにより感度が劣化するといった欠点を持ちます。

マスフロコントローラー(以後:MFC)及びマスフロメーター(以後:MFM)は
測定管路の外側にコイルを巻いたタイプで、センサー部とバイパス部とから
構成されています。

センサー部の内径 0.2〜0.3mmの細管の周りに加熱と温度計測を兼ねた
一対のコイルが巻かれていて、流体が流れることによって生じる温度分布
の対象性の崩れからセンサーに流れる流量を求めています。
バイパス部には、センサー部の流量に比例する毛細管等の抵抗体が挿入
されており、全体として必要な流量が得られる構造になっているのです。
実はこのバイパス部分は差圧こそ測定しておりませんが、層流流量計で
差圧の変わりにセンサー部の流量を利用しているのです。
流量 Qm は、センサー間の温度差 ΔT から次の式から計算できます。

 Qm = CΔ T/Cp

 ここでの C の値は、補正係数です。
センサー部分とバイパス部分との分流比率など流量計に依存した係数で
やはり校正によって決定してきます。
Cp は、気体の定圧比熱です。 Cp を含むために計測される質量流体 Qm
は気体によって異なります。
これは、測定したい気体を実際に流して校正する(実流校正)必要があります。
しかし、現実的でないため基準ガス(通常窒素ガス)の計測結果から
任意の測定対象ガス流量を推定する変換係数(CF:コンバージョンファクター)が
提案され実際に利用されております。
ただし、あくまで定数として使用されるものであるため、測定精度を求められる
使い方としてお薦めできるものではありません。
精度を出すためには測定対象となる実流校正が必ず必要です。

ゼロ点のドリフトを管理さえしていれば、MFC,MFMは気体の質量流量計測用として
非常に使い勝手の良い、精度の高い流量計なのです。

液体用MFC,MFMも製品化されていて原理的にまったく同じであるものの
液体は気体と比べて熱応答性が悪いという欠点があり、現在、その課題に
各社MFCメーカーがしのぎをけずっているのです。

高圧ガス、低温機器、真空機器

川口液化ケミカル株式会社
TEL 048-282-3665

ありがとうございます

今日の格言
人生の目的は?
「人生なにごとかなせば必ず悔恨はつきまとう。
 そうかといって何事もなさざればこれまた悔恨
 となる。」
(亀井勝一郎)

川口液化ケミカル株式会社へご相談・ご質問ございましたら、ご連絡をお願い致します。9:00〜17:00(土日祝日を除く)

WEBでお問い合わせ  048-282-3665