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マテリアル技術関連用語解説(さ行)

サービスヘアー
ステンレス平棒の二面にHL研磨(150#~250#)を、長手方向に対し施す表面処理をいいます。
サーフェイス仕上げ
圧延処理の後に面粗仕上げをお施した板をいいます。
再結晶 Recystallization
冷間加工によって硬化した材料をある温度まで加熱すると急に軟化しはじめます。この現象は金属を加工した際に変形した結晶が多角形の細粒に分割結晶するためで、加熱処理により増加していた転移も消滅して結晶粒は内部のひずみを持たない安定した状態となります。この現象を「再結晶化」といい、再結晶が始まる温度を「再結晶温度」といいます。尚、再結晶温度以上の加熱後に除冷するすると「焼きなまし」処理されます。
再結晶温度
金属の加工度が大きいものほど再結晶温度は低くなります。合金中の含有不純物や合金の場合の加合元素の影響が大きいようです。鉛やすずは常温以下で再結晶化するため、加工硬化は起こらないのです。

材質 再結晶温度 融点
Fe 350~500℃ 1535℃
Ni 530~660℃ 1458℃
Al 150~200℃ 660℃
Cu 200~250℃ 1083℃
Mg ~150℃ 650℃
Zn 5~ 50℃ 419℃
Sn 0~ 25℃ 232℃
Pb ~  0℃ 327℃

  

サブゼロ処理 Subzero Cooling
焼入れした金属を即0℃以下に(実際には-80℃)に再急冷する処理のことをいいます。鋼の場合には、焼入れによる硬化(オーステナイト組織からマルテンサイト組織へ)を進めるために残留オーステナイト組織を除去する処理をおこないます。経時変化を防ぐ効果があり「深冷処理」とも呼ばれています。
3“×6”板
幅3尺×長さ6尺(幅900mm×長さ1800mm)の板のことをいいます。
サブロク板と呼ばれ建材向け用途が多い規格です。
酸洗 Acid Polished
熱間圧延処理をすると、加熱されたことにより表面にスケールと呼ばれる酸化皮膜が形成されます。これを酸の溶液中で取り除く処理のことをいいます。酸洗処理の後、水で洗い流し、乾燥させ、製品となるか、次工程(冷間圧延)に送られます。
サンドブラスト
圧縮空気や遠心力などでショット玉と呼ばれる砂やガラスの研磨剤を対象物に吹き付けて金属表面の汚れや研磨を行う方法です。弊社では、ドライアイスを米粒状に加工したペレットで対象物を傷つけることなく、ショット材の回収が不要な(ドライアイスのショット材は昇華してガスに変化するため)ドライアイスブラスをご提案できます。
残留応力 Residual Stress
「内部応力」とも呼ばれます。鋳鉄の場合、溶湯は鋳型の末端部の細かい部分や細い部分・表面部から冷えて先に固まりはじめます。中心部の内部では後から冷えて固まろうとするので、先に固まった外部の引っ張ろうとする力と、内部が固まるのに外部に引っ張られる力が残ったまま金属内部に「残留応力」として残ります。
冷間加工でも内部に応力が発生し蓄積されやはり「残留応力」になります。これらは加工中に変形や応力割れの要因になり、問題になることが多いものです。「焼きなまし」や引っ張り矯正など一部の残留応力を修正することは可能です。
シーム溶接 Seam welding
金属母材をローラー電極二枚で挟み込み、電極を回転させながら加圧、通電して接合し、スポット溶接(点溶接)が連続して行われる溶接方法です。シーム溶接は、薄板の連続溶接や対象物が極めて小さな水晶体封止などに適した溶接方法で、抵抗溶接の一種です。
ジェミニー試験 Jominy method
焼入れ材の焼入れ性を試験する方法です。求められた硬さの値で、最高値と最低値を帯状範囲で示したものを「Hハンド」ともいいます。
時効効果 Age Hardening
「固溶化熱処理」した金属が、急冷することで析出する間もなく無理やり固化させられたため非常に不安定な状態です。これが時間の経過により本来の安定した状態に戻ろうとして金属元素の結晶が部分部分析出してきます。この析出現象により滑りにくく硬くなります。このことを「析出硬化」といい、常温時効硬化と人工時効硬化(析出硬化処理)といわれております。
JIS Japan Industrial Standards
日本工業規格の略語です。
磁性体 Magnetic Body
磁極を近づけると、反発する物質を「反磁性体」、ある程度吸引される物質を「常磁性体」といい、これら二つのことを工業的に「非磁性体」と呼んでいます。また、磁化されやすく磁極に強く吸引される物質を「強磁性体」といい、「非磁性体」に反し「磁性体」と呼んでいます。オーステナイト系ステンレス、伸銅品、アルミニウム合金は非磁性体です。フェライト系、マルテンサイト系、析出硬化系ステンレスは、磁性体(強磁性体)です。
自然時効 Natural Aging
「時効硬化」「析出硬化処理」説明をご参照ください。
自然発色膜
染料や顔料など色素を用いず、素材の組成、材質、電解、化学反応条件などにより金属表面を発色させた被膜のことをいいます。
自動アーク溶接鋼管 Automatic Arc Welded Steel Tubes
主にステンレス鋼管において、鋼板や鋼帯を筒状にして成形した後の継ぎ目部をTIG、プラズマアーク、MIGなどの溶接方法により製作した鋼管のことをいいます。
自動溶接 Automatic welding
ボタン一つで連続的に溶接処理ができてしまう溶接装置で、パイプのフランジ接合部外周溶接や突合せ溶接、半導体産業用では管内の裏波にパーティクルのデッドスペースが出来にくい自動溶接機などが汎用機として使用されています。
・4“×8”板
幅4尺×長さ8尺(幅1219mm×長さ2438mm)の板を、シハチ板と総称しております。
絞り Reduction of Area
引っ張り試験では、破断した材料片の最少面積Aと最初の断面積Aoとの差(小さくなった面積)を最初の材料片断面積Aoで割った百分率%をいいます。
絞り加工性 Ironing
アルミ缶や鍋のように底のある容器を素板から押し出す加工方法で、深絞りでは、数回に分けて絞り作業を行います。蓋のような曲面などはへら型を使うへら絞りが伝統技術として最近注目を集めております。
稿板 Checkered Plates
チックプレートの片面に凸模様の滑り止めをつけた板のことです。稿溝のある圧延ロールで圧延します。ちなみに板厚は凸部ではなく平面部の厚みをいいます。
射出成形 Injection Mold
溶かした素材を鋳型に注入して造形するプラスチック産業で多用されている方法ですが、近年、ステンレスやその他の合金をこの方法で成形することがあるようです。
シャフト Shaft
機械、車などの回転軸をいいます。もしくは道具や工具で長い柄のものを指します。
シャルピー衝撃試験 Charpy Impact Test
試験片の両端を支えて中央部を折って衝撃値を求める衝撃試験方法です。試験片が破断した吸収エネルギーを、その破断した部分の面積で割った値から求められ、小さいものは脆い金属となります。
純水
半導体仕様のパイプ・継ぎ手・加工品など洗浄する水は純水を使用します。理論抵抗値に匹敵する18MΩ・cmに値する純水を使用して洗浄されます。
ショア硬さ Shore Hardness Test
反発硬さのことをいいます。鋼材や非鉄金属など材料に左右されず、広範囲で測定できます。測定方法は、一定の高さから試験片の面に向けてハンマーを落とし、その跳ね上げ高さの比例値で示します。一般的なD形試験機はハンマー重さ36.2gf、落下高さ19mmとなっております。
常温時効
「時効硬化」「析出硬化」説明をご参照ください。
衝撃試験 Impact Test
材料の動的衝撃に対する抵抗の度合いを測定するものをいいます。金属のねばり強さ「靭性」、もろさ「脆性」を知ることが出来、脆性測定に有効な測定方法です。シャルピー衝撃試験、アイゾット衝撃試験が代表的です。
衝撃強さ Impact Strenght
材料が衝撃荷重に対して示す抵抗値のことをいいます。
焼純
焼きなまし、アニールと同じ意味で用いられます。
ショットブラスト Shot Blasted Surface
 圧縮空気や遠心力などでショット玉と呼ばれる砂やガラスの研磨剤を対象物に吹き付けて金属表面の汚れや研磨を行う方法です。弊社では、ドライアイスを米粒状に加工したペレットで対象物を傷つけることなく、ショット材の回収が不要な(ドライアイスのショット材は昇華してガスに変化するため)ドライアイスブラスをご提案できます。
縦弾性係数 Modulus Of Elasticity
ヤング率とも呼ばれています。ゴムやバネは引っ張ったり変形させても力を加えるのを止めると元の形に戻る性質があります。これを弾性といいます。この弾性の限界点に至るまでは荷重の増加に比例して伸びが発生する比例部分があり(フックの法則)、この限界点を比例限度といいます(弾性限界と比例限度は非常に近いところにあります)。その材料がフックの法則に従う時に、比例限度内での垂直方向の荷重(応力σ)と伸び(ひずみε)の比例定数を縦弾性係数Eといいます。Eが大きいほど同じ荷重に対して伸びは小さくなります。
E = σ/ε(kgf/mn)
真空 Vacuum
大気圧よりも低い圧力の気体で満たされている特定の空間の状態をいいます(JIS定義)。特定の空間である真空にする容器(通称:チャンバー)を作って内部を周りの大気の圧力より低い圧力にすればその状態を真空といいます。真空はものではなくて空間の状態をいいます。絶対真空は当然真空です。
真空蒸着 
高真空の雰囲気で、金属や合金、化合物などの蒸着源を溶かして蒸発させます。気化したその蒸着源がターゲットである基板表面の上に凝固・堆積させる方法です。電気的に不導体である布、紙、プラスチック、ガラスなどの上に金属を蒸着できます。鍍金などよりも強い被膜です。
人工時効 Artificial Aging
「時効硬化」「析出硬化」説明をご参照ください。
靭性 Toughness
物質のねばり強さを表す言葉です。引っ張り試験では「伸び」の大小とは直接関係しておりませんが、衝撃にあっても割れ難い性質なので、衝撃試験の数値が大きければねばりが強いことを示します。
巣(孔)
鋳造や溶接などで発生する小さなガス孔(ブローホール、ピンホール、ボリング=にえ、吹かれ)と引け孔(引け巣)とがあります。引け巣には開放型(外引け=発生ガスによるくぼみと区別します)と密閉型(中央線引け、ザク=極技状晶の小晶の集まり)とがあります。巣には砂、スラグ、黒鉛等が充填している場合、欠陥となります。
水素脆性 Hydrogen Embrittlement
鋼に水素が入ると分子間に細かい亀裂が出来て脆くなります。また、タフピッチ銅は酸素を0.02%~0.05%残した99.9%以上の純銅ですが、水素を含む還元気体中では400℃以上に加熱すると銅中の酸化銅が還元され水蒸気を生じこの圧力では細かな亀裂が生じ脆くなる(水素脆性)がおきます。ただし、高張力鋼やフェライト系ステンレス鋼は脆化しますが、オーステナイト系ステンレス、リン脱酸銅、無酸素銅には見られません。
スエージング Swaging
棒や管を絞ってテーパー状にするような加工をスエージングといいます。
隙間腐食
構造的に形成された隙間の内部が腐食された現象であり、特にステンレス、アルミに多い現象です。材料の合わせ目、溶接部、ゴミの付着物の下などに1/100以下の隙間部で多く見られるようです。
スキンパス
最終製品の焼純酸洗後に管または帯鋼状に矯正して、表面光沢、寸法精度をよくするためにおこなう軽い圧延のことをいいます。表面は2B材に近い製品となります。
スケッチサイズ
定尺寸法(小板、3x6、1x2、4x8、5x10)以外の規格板を称していいます。
・ステンレス鋼
耐食性を向上させる目的で、クロムまたはクロムとニッケルを含有させた合金鋼のことをいいます。一般的にはクロム含有量が約11%以上の鋼をステンレス鋼といいます。組成組織によって、マルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系、オーステナイト、フェライト及び析出硬化系の五つに分類されます。
ストリップ
広域の帯鋼のことで、幅500mmを超えるものをいいます。幅500mm以下をフープといいます。
砂型
砂で作られた鋳型をいいます。砂型にはシェルを焼成する乾燥型と水ガラスやフラン樹脂を混合して成形する生型があります。砂型鋳造は造形が容易であるため寸法や大きな大仏のような製品が製作可能です。
スプリングバック Spring Back
金属の板を曲げ加工しますと、板の弾性により曲げが変形して元に戻ろうとする現象をいいます。防止策としては曲げ半径を小さくすることと、板の外皮応力を増して、曲げ加工部に引っ張り張力を与えて引っ張り変形を与えるようにすることです。一般には降伏点が低いほどスプリングバック量が少なくなります。降伏点196N/mm2(20kgf/mm2)以下ではほとんど起こらないようです。216~226N/mm2(22 ~ 23kgf/mm2)以上の材質で多く見られます。
・スポット溶接 Spot welding
重ね合わせた板材を、先端を成形した電極で挟み込み、比較的小さい部分に電流と加圧力を集中して局部的に加熱し、同時に電極で加圧して行う抵抗溶接方法です。
スラグ Slag
鉱石を精錬する際に、溶剤の作用によってできる非金属的組織の物質のことをいいます。一般には酸性酸化物と塩基性酸化物の混合物(SiO2・CaO)の場合が多いようです。鋳造において巣にスラグに溜まると鋳塊の欠陥となります。
スリット
板などの圧延ロール方向に沿って切ることをいいます。
制御板 High Damping Sheet
音や騒音に対して減音特性が高く、遮音性に優れた板のことです。鋼板ではダンピング材を貼り付けた2層型と、粘弾性高分子樹脂を挟み込んだサンドイッチ型のものがあります。減音性、遮音性はサンドイッチ型のほうが優れており、コンプレッサー、モーターカバー、シャッターなどに使用されております。また、ステンレスの制震板商品化が進んでいます。
脆性 Brittleness
物質の脆さのことをいいます。脆性の反対語は靭性です。衝撃試験である程度の脆性の大きさを得られます。また、金属の脆性現象には次のようなものがあります。
低温脆性
水素脆性
中間温度脆性
475℃脆性
赤熱脆性
焼戻し脆性
青熱脆性
σ相脆性
析出硬化処理
固溶化熱処理(溶体化処理)の後に時効硬化(析出硬化)を人工的に行うことをいいます。ベリリウム鋼、ステンレス鋼600#やアルミニウム合金2000#、6000#、7000#や、アルミニウム合金鋳物などにT6処理が代表例です。熱処理として析出硬化処理は、合金に応じて人工的に温度を上げて、溶け込んでいる元素の原始運動を容易にしてから冷やしていくもので、時効硬化を早めます。これらを人工時効硬化といいます。アルミニウム合金では焼戻しにあたります。常温で行われる時効硬化を常温時効硬化あるいは自然時効硬化といいます。アルミニウム合金ではT4処理が代表的であり人工時効硬化(T6)とは区別されています。
切削性 machinability
切削加工性の善し悪しをいいます。難削材料の代表的なものは、SUS304、純アルミ、銅などがあげられます。切削性の改善にはPb,Bi、S、Se、P,Teなどの添加元素を混入させることが必要です。快削材としては、SUS303、A2011、快削銅、快削黄銅などがあります。
・センターレス Centerless Grinding
センターレス(無芯)、グライディング(研磨)の略語のことをいいます。回転する2枚の砥石の間に通して研削をおこなう研磨方法です。寸法精度・表面粗度・真円度において引抜き品よりも優れています。
 
せん断加工
加工する材料を二つの工具の間に差し込み、工具を押圧することで局部的にせん断応力を集中させて材料を分離する加工方法をいいます。シャーリング切断はブレード(上刃・下刃)で行い、打ち抜きプレスはパンチとダイスで挟み込み穴を開けます。
せん断弾性係数
「横弾性係数」説明をご参照ください。
せん断強さ Sharing Strength
材料がせん断によって破壊する際の最大応力のことです。せん断面積(mm2)あたりの最大伸びで示します。N/mm2(kgf/mm2)
せん断膨張係数 Conffcient Of Thermal Expansion
温度変化による膨張をいいます。収縮を温度が一度上昇したときに下の長さに対する単位長さで示します。N/mm2(kgf/mm2)
塑性 Plasticity
粘土は一度押し曲げたりしたりするとそのままの形まで戻りませんが、この性質を塑性をいいます。一般的には金属は塑性の大きな物質であり、圧延、押し出し、引抜き、プレスによる曲げ、絞り、鍛造、転造といった塑性加工が容易である。塑性の反対語は弾性です。
ソリッドワイヤ Solid Wire
中空でない断面同質な溶接ワイヤのことをいいます。

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